だいぶ時間が経ってしまったけど、4月はHARVESTELLAをやってました。
TwitterのTLでだいぶ推されていたのですが、農業シム別に興味ないよなあ、と思いつつストーリーが何やら良いとの話なのでセールに合わせて購入。プレイしてみたら、見た目はチープながら、ストーリーが非常に面白い良ゲーでした。
農場シムと思いきや、かなり重厚なストーリーラインで一気に引き込まれる
世界には四季があるんですが、四季の間に訪れる謎の時間「死季」、そんな死季で突然目覚める主人公。そしてなぜか隕石が落ちてきて、中から出てきた人が記憶喪失で「ここはどこ...過去の世界...?」とまるで未来からやってきたかのような台詞を言い出して、なんやかんやあって一緒に村外れの家に住み始める不思議な二人。
取りあえず農業して自給自足しろ、と村長に言われるまま畑をする生活が始まり、農業シムで生計を立てていくちょっと不思議なゲームなんですが、村の小さな問題を解決するために近くを散策していたら、色んな事件が起きていき、謎だったヒロインの出自が明らかになっていく...というのがこのゲームのストーリーラインです。
一見するとファンタジー世界の農業シムなんで、ストーリーが面白くなりそうな要素が最初は無いんですが、時間転移者であるヒロインに焦点が当たり出す辺りから一気に面白くなります。ヒロインはなんで未来から飛んできたの?とか、なんでファンタジーっぽいのにロボみたいな奴がいるの?とか。あたりの謎から始まって、スケールが一気に大きくなってきて、最終的にはおれたちが世界を救う!みたいな話に展開してくのがちゃんとJRPGになってて良いんですよ。非常に見せ方が旨いというか、展開が丁寧で、みんなが大好きなJRPGです。
それにしても、ストーリー冒頭で隕石、中の人が記憶喪失...?どっかで見たことあるな?
チープだけど、愛が感じられるグラフィックと、美しいBGM
ただ、グラフィックはお世辞にも令和のゲームではないのが残念ポイント。まあ、チープだから良いというか、逆にこのチープさだから楽しめる部分とかもあるんですが、モーションのバリエーションが少ないんで、NPCが同じ動きばかりするのは気になってしまうポイント。 どいつもこいつもひらめいたときに指パッチンする。
ローコストが目立つというよりは、必要最低限で作られているって感じなんで、まあ許せるかなってぐらいのチープさ。ゲームの制作者達が何を表現したかったのかはわかる。10年ぐらい前のゲームの作り方を今のグラフィックエンジンでやってる感じ。ライザのアトリエみたいに、操作キャラのモデリングにコストかけ過ぎて、モンスター使い回しがすごく気になる、みたいなアンバランスさはないので、気にはならない。でも令和にこれかーというのはちょっと損してるポイント。
BGMについては椎名豪さん作曲ということで、世界観にマッチした美しい楽曲がとても魅力的。タイトル曲とかロゴやイラストと完全にマッチしててめっちゃいい。盛り上がる部分ではトコトン盛り上がるので非常に良いんですが、それ故にBGMが強すぎるなと思う場面は気になってしまう部分が。グラフィックのせいかもしれないですが、大して盛り上がってないのに、BGMだけクライマックスみたいなのが流れてるみたいなケースがいくつかあったのはちょっと残念ポイントです。
農場目当てでも大丈夫!易しめで安心のAPRG
このゲーム、先にも書いたように農場シムのウェイトが一応そこそこ高めです。というのも
- 野菜を育てて売るとお金が手に入るが、お金を稼ぐ手段がほぼこれしかない
- 野菜の種や武器を強化するためにとにかくめっちゃお金が必要
- 回復アイテムは野菜から作るので野菜を育てないと、まともに戦えない
となっているので、ほとんど農場で野菜を育てることが必須です。農場シムは非常に簡単で、ほとんど作業なんですが、ちょっとした自動化要素があったりして、ハマる人はハマる感じ。野菜の種を買って野菜を育てると必ずプラスになるように調整されてるので、農場はちゃんとやればやるほど、バトルが楽になるという感じ。
で、肝心のバトルの方は、簡単なアクションRPGになってて、これまたものすごいチープでシンプルなバランスです。操作できるのは主人公だけで、仲間2人はオートで戦ってくれます。敵味方が攻撃しても、相手にのけぞりモーションなんかも一切無く、ただ1ルートしかないコンボをたたき込んだり、魔法を連発するだけのシンプル仕様。敵の攻撃にAoEが表示されたり、いわゆるDPSチェックがあったりと、ちょっとした近代的な要素はありますが、基本的に殴り倒した者勝ち。令和とは思えないぐらいのシュールさです。
回復は回復薬を使うんですが、なんと連打が可能。リキャストタイムなんてないので、強敵相手にはとにかく連打すれば勝てるので、数を用意するだけというシンプルさ。往年のMMOかな?
そんなわけでバトルは簡単。回復アイテムが尽きなければ全滅することはまずないので、どんどん切り込んでいきましょう。私は何度かアイテム切らして全滅しましたけど...
午前は農業で汗を流し、午後は世界を救う
ゲーム内には24時間の時間が実装されてるんですが、主人公はとにかくめっちゃ健康的な生活を送っています。
朝は必ず6時に起き、午前は農業に勤しみます。土を耕したり水やったり、収穫したり。そうこうしてると、お昼ぐらいを過ぎて一通り農業の一日分の作業が完了するので、午後はシナリオを進めたりサブクエしたりバトルしに行きます。あれこれしてると夜になるんですが、なんと夜になると主人公は眠くなってしまい、デバフをもらってしまうので家に帰って寝ます。これが一日のルーチン。
なので、毎日農業とバトルを繰り返すことになり、このリズム感が面白い部分もあるんですが、単純に飽きてきます。
毎日このルーチンなので、単純に農業が面倒くさくなってきてしまう。特にシナリオが佳境に入った時に、夜「眠くなってきた...」とか言い出すのは、「それどころじゃないヨォ!?」ってなるのでちょっと残念ポイント。時間要素は農場システムにはかみ合ってると思いますが、シナリオとはイマイチかみあってない感...
農場シムも興味があるけど、RPGも楽しみたい欲張りな人に
農場シムの部分は効率を突き詰めれば、それだけで楽しめるなんともいえない作業感の楽しさみたいなのはあるんですが、農場シムだけやるのはちょっとなーという人におすすめなのが、この作品。農場シムも出来ますが、なんとRPG一本分の重厚シナリオがついてきます。
全体的に荒削り感は否めないですが、トータルとしてバランスはしっかり取れているし、RPGとしてすごく良く出来たシナリオなので、個人的にはかなりオススメの一作。ただ、フルプライス出せるかというと、ちょっと勿体ない...セールなら推せるぐらいかな。
プレイ時間もコンパクトめなので、ちょっと一本軽いRPGやっとくか!みたいな時にもオススメです。