Trance Shift 8 - Notes

クルマと温泉とキャンプとゲームと登山、たまにDTM。

侍映画がゲームに!Ghost of Tsushimaが色々と凄かった

AC3をクリアした後はAC4の前にツシマをやります!という話をしたので、予定通りツシマをクリアしました。ちょうど始めようという矢先にPSStoreでセールが始まったのでタイミングが良すぎたやつですね。

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いい風景、すぐフォトモード。

まるでテレビで見ている時代劇がそのままゲームになったような、不思議な体験ができるゲームでした。ちなみに本編のみ。マルチは未プレイです。

操作できる映画?とにかく「粋」なゲーム

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カットシーンは上下に帯

インタビューとかでも語られてるんですが侍映画に多大な影響を受けている作品です。私は映画は全然詳しくないんですが、それでもわかるぐらい。例えばゲームは基本的に全画面が使用されますが、カットシーンでは上下に帯がついてかなりの横長画面になります。オープニングではこの帯がついた状態でシーンが始まるんですが、ゲーム開始と共に帯が上下にスッとひいて、フル画面になり「さあ、ここからはあなたが操作するんですよ!」と粋な演出が入ります。やばいカッコいい。カットシーンの度に帯がついたりひいたりするのが、プレイアブルかどうかの切り替えで非常にわかりやすいんですね。

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帯が消えたらあなたの番です!

そして、画面が超絶綺麗です。グラフィックがすごいリアル、とかではなく絵作りが上手い。例えば、全体的にビビッドな配色になっていて、紅葉が見えるスポットは常に満開(見頃)で、雪が降るエリアでは現実ではとっても珍しい紅葉と雪が同時に出てきたりとか。ちょっと過剰演出じゃない?というぐらいリアルから逸脱してるんですが、やっぱりこういうところも映画っぽいんですよね。とにかく最高の条件をゲームに放り込んである、みたいな印象です。ちなみにフォトモードは結構充実してます。

また、オープンワールドゲームにしてはありえないぐらいゲーム画面がシンプルで、UIがほとんどありません。オープンワールドといえばミニマップですが、これも無く、方向マーカーさえもない。じゃあどうやって行き先を知るんだと言うとコントローラーのタッチパッドをスワイプして「風」を起こす。風の演出は画面上に線となって現れるので向かうべき方角がわかる。みたいな仕組みです。粋ですよねぇ。まあ、そのぶん迷子になりやすいんですが...

それから、日本の対馬を舞台にしているので、当然ながら日本の文化をヒントにしたイベントが数多くあります。オープンワールドといえば探索。いろんな場所を巡って要素を解放していくのですが、今作ではこれは「狐の巣」や「温泉」「神社」、そして「和歌」などになってます。

例えば、「狐の巣」は、近づくと狐さんが出てくるので、追いかけてモフモフする。

「温泉」は秘湯を探索して湯に入ると体力が増える。「神社」は参道が崩壊しているのでアスレチックのようなステージを進んで参拝するとアイテムが貰える。「和歌」は主人公が和歌を詠みます。(ちゃんと日本語です。解説も表示される) 粋ですよねぇ。

神社に参るとカメラが俯瞰からズームインします。

また、PS4のコントローラーの機能がフル活用されていて、コントローラーから音が出たり、心臓の鼓動とリンクしてバイブレーションしたりします。DEATH STRANDINGみたいにコントローラーで赤ちゃんをあやすみたいなのはないですが、結構効果的にスピーカーが使われたりするのでこういうところも「粋」です。

ただ、ずっと終始綺麗な画面でプレイできるか、というと綺麗は綺麗なんですが、ゲームのテーマが「蒙古襲来」なのでそこら中で残虐な行為が行われてます。死体はごろごろ出てくるし、酷い殺され方されてるキャラもどんどん出てくるので耐性が無いと結構キツくない?という場面も。一応血の表現はマイルドにできるみたいですが、そこで行われている行動を理解すると「そこまでするの...」みたいな感想を抱きたくなるレベルです。胸糞悪いやつ。

個人的には綺麗な絵作りには惹かれたんですが、その対局にある残虐すぎる世界設定でかなり大きくマイナスかなあって印象です。その対比が美しくて儚いみたいな世界設定なのかもしれないですけど。

ストーリーはさっぱりめ

メインストーリーは最初からゴールが明らか(=対馬を蒙古の手から開放する)なので、そこに向かって収束していきます。いろんな寄り道はあるんですが、特に大きな転換点がないのであんまりプレイフィールはしっくり来なかったですね。攻城戦とかで味方キャラが喋る!叫ぶ!みたいな時は結構盛り上がるんですが、大半はお使いイベントなので大きな驚きもなく...メインよりサブストーリーの方が次の展開がわからないのでプレイした感じでは面白かったです。どこに収束していくのかがわからないので。

ただ、どのストーリーも結局悪い奴を斬るか、メチャクチャ見ずらい足跡を追跡して尾行するか...といったものなので結構作業でした。まあここはオープンワールドありがち。なので私としてはストーリーよりも、それ以外の部分、つまりオープンワールドとしての探索要素の方が面白かったですね。

難易度は絶妙。アクション苦手な人でも大丈夫

このゲーム、正面から堂々と戦うことも、隠れて暗殺することもできます。とある事情で、基本原則としては正面から戦う...ことを主人公はしたいのですが、それだと勝ち目がないので暗殺をしていきます。つまり基本的には暗殺者として敵をなぎ倒していくわけなので、ステルスアクションです。バトルの難易度は少し高めに設定されていて、きちんと敵のモーションを見てガードかパリィを行わないとあっという間に殺されます。パリィのタイミングは結構シビア。とはいえ回復手段もあり、そもそも正面から戦わず暗殺することも、煙幕などの道具を使って相手を巻くこともできるので、割と好きに戦えます。

アクションが得意なら正面から一騎打ちを仕掛けるもよし、やられてしまいそうなら煙幕などでチートするもよし。自分のスタイルでプレイできるのが魅力だと思います。私は最初「おれはアサシンだ」と思っていたので暗殺ばかりしていましたが、最終的にバトルが楽しくて正面から仕掛ける方が多かったです。

ボス戦などでは道具が使えないので、侍として刀だけでバトルすることになるのですが、ここではしっかりガードなどを駆使して戦う必要があります。なれないうちは割とすぐ死ぬので、早めにガードのタイミングなどは覚えちゃったほうが良かったです。結構ハイスピードなバトルになるので攻めるときは攻める。守るときは守る、とメリハリ付けて戦うのがおすすめかも。最初こそ「難しいなー」って感想でしたが、数時間もすればなれてきて無双できるので程よい難易度になっていると思います。

ちなみに難易度設定は「標準」の他にも「易しい」にしたり「難しい」にしたりも可能。標準だと良いバランスになってると思います。最高難易度は一撃で死ぬらしいけど、そういうのやるゲームじゃないかなって感じがする...

Assasin's Creed Tsushimaではないのか?

まあここまで読んできて「アサシンクリードじゃねえかこれ!」と思う人は少なからずいると思うし、実際そのとおりなので比較を書いておきましょう。

ゲーム性は非常に良く似ています。オープンワールド、ロケーション、収集要素等は全く同じ。暗殺にしても、エアアサシンあり、ダブルアサシンあり(トリプルまであります)、煙幕などのアイテムありとかなり似てるんですが、バトルはカウンターゲーではないので、ツシマの方が個人的には面白いですね。また、イーグルダイブはないので高所から飛び降りると死にます。当たり前だけど(後で受け身取れるようになるスキルが追加される)。

アサクリは現代編があるようにSF要素が結構混じってるのですが、ツシマは時代劇なのでそういうのは皆無です。なので、純粋に時代劇として楽しむゲーム。という感じですね。対馬に実際にあるロケーションなんかも再現されてますが、解説とかも出てこないので自分で調べてやるスタイルです。アサクリは事実に架空の話を混ぜ込んでるので本当か嘘かわからんストーリーが面白いんですが、ツシマはハーン侵攻の事実をヒントにした架空の話なのでゲーム内の話として楽しむスタイルになってます。黒澤映画からヒントを得てるので、登場人物が"志村"さんだとか色んな所にリスペクトを感じられるので、そのあたりを調べてみるのが面白いかもしれませんね。

あと、特記すべき事項としてはファストトラベル時のロードが非常に高速です。一体どうやってるんだ?っていうレベル。他にも細々とアサクリでストレスを感じている部分が改善されているので、これはぜひ参考にして逆輸入して欲しいなあ、と思いますね。

オープンワールドのお手本のようなゲーム

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月の夜

トータルとして考えると非常に高い水準にあるオープンワールドゲームだと思います。映像の綺羅びやかさは一級品でシステム面での丁寧なフォローなどもあり、ゲーム体験は非常に優れているので、オープンワールドゲームが苦手ではなく、ストーリーの裏にある残虐さを受け入れられるならおすすめできるかな、という感じ。拷問とか虐殺とかそういうの苦手な人は回れ右。

プレイ時間はストーリーだけなら20時間。プラチナまで取って50時間ぐらいですが、はっきりいってストーリーだけやるなら勿体ないというか面白くないと思うのである程度は収集要素もこなすつもりでやったほうがいいんじゃないかなと思います。和歌詠むの楽しいしね。

【PS4】Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ)

【PS4】Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ)

  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: Video Game

番外編: 「七人の侍」を見た

「侍映画がリスペクトがされている!」とでかでかと書いたんですが、そもそも侍映画そのものを見たことがないのでこの機会に...ということでゲームクリア後、「七人の侍」を見ました。デジタルリマスターされているものでノイズこそ乗ってますが割と見やすいレベルのもの。映画の上映時間はなんと3時間26分。あまりにクソ長いので、前編、後編にわかれていて途中に「休憩」があります。

それにしても、流石に60年も前の映画なので、カラーではないし音声は相当劣化しているので初見では聞き取りが出来ないレベルです。音質が低い上、百姓が訛っててなに言ってるのか全然わからない。こういう映画をリスペクトして、ツシマのゲーム内に「黒澤モード」というのが搭載されてるんですが、全然そんなレベルじゃなくひどい。本当にわからない。のでWikipedia読んで解説でちょっと補完しつつ見てました。人間不思議なもので背景補完して、30分も見れば慣れてきてどういうシーンなのかようやく理解できるように。

大した訳まわりではないものの琵琶法師が出てたり、一騎打ちのシーンでの刀の構えの構図などがゲームそっくり(というかこっちが本家なんだけど)で、なるほどこれはすごいリスペクトだなあ、となったり。50'sなのでBGMが全然今では聞かないような曲調の音楽だったり、途中「休憩」とばばんといきなり出てくるところで、これがうわさの...となったり、やっぱり色々感動があります。

映画の雰囲気は侍達のキャラクターもあってか、比較的明るめで、かなり暗めの雰囲気のツシマより全然安心して見られる感じ。他の侍映画がどういうものかはわからないですが、ここはやっぱり映画って感じですね。コミカルなキャラクター達にちょっとクスッときたりしたシーンも。

やっぱり見どころはクライマックスのシーンで、豪雨の中の緊迫した戦闘は、モノクロながらものすごい臨場感。馬や人の泥はね、次々と切り替わっていくシーンが瞬きを許さないような。今でこそすごい映画たくさんありますが、これが1950年代に撮られた映画というのが信じられなかったですね。前後半で3時間半はちょっと長い映画ですが、もう一度見たくなるようなそんな魅力がありました。これをリスペクトしてゲームを作った、と考えると...なるほどすごい作品です。また見たい。

ちなみに、映画を見終わった後に映画の背景や撮影現場などを調べたんですが、これがまた60年前の話なので結構面白くてついつい時間を食われてしまいました。撮影聖地に巡礼してみようかな。

七人の侍

七人の侍

  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Prime Video

全然関係ないですけど百姓の話なので、お米食べたくなりました。そういえばお米のゲームが最近ありましたね...