無事帰ってきたのでちゃんとブログが書けますね!と、いうわけで、厳冬期の赤岳登頂に挑戦してきました。
今回は小屋に1泊してのパーティ登山でしたが、頂上は快晴/無風/温暖と最高のコンディションでした。頂上からの眺めはまさに圧巻。空が本当に綺麗に青く見えましたね。
yamap.com 今回から記録をYAMAPに変えてみてます。
1日目: 赤岳鉱泉で一泊
初日は駐車場から、赤岳鉱泉までさくっと上りました。高低差は500Mぐらいなので数時間ですぐ到着ですね。お昼すぎから上り始めたので到着したら、夕暮れ。その後ご飯。そして寝るという感じでした。装備は全然チェーンアイゼンとストックだけで大丈夫なぐらい。雪少ないです。今年。
小屋の強いジムニー。カッコイイ。
有名なアイスキャンディ。ここに遊びに来るだけの人もいるみたいですね。
夕方、いい感じの彩雲が出てたんですが、上手いこと撮影できてなかった。
実は初めての山泊。噂の赤岳鉱泉で一泊したんですが、山小屋ってこんなに快適なところなのか...という印象を持ってしまったぐらい。山小屋なのにこたつがあるし、夜はステーキですよ。お風呂は冬季だから流石に無いけど夏ならお風呂もある。夜はこたつもあるしお布団もある。すごい。
びいるにワインなんかも開けちゃったんですけど、これが大失敗。山小屋だと8時半とか9時には寝るんですが、アルコールの分解って数時間かかるじゃないですか。小屋のご飯が少し遅めでこの日は7時半(通常はもっと早いですね)とかだったんですけど、酒のんですぐ寝る!という状態だったので全然寝付けなくて大変でした...
山小屋で酒飲むと、心拍数が落ちず眠りにつけない地獄が待っていたので金輪際、山で酒はやめようと思いました pic.twitter.com/NSLXE6kZL3
— Lix / すかい (@skyriser) 2019年2月17日
ので、二度とやらないようにします...酒は降りてからだな!(空気が当然薄いので酔うと辛い)
2日目: 行者小屋経由で赤岳登頂
この日が本番。朝5時半ぐらいに起きて朝ごはん食べて、準備いろいろして、7時過ぎに赤岳鉱泉を出発。詳しい人にしかわからないですが、ルートは
- 赤岳鉱泉 -> 行者小屋 -> 地蔵尾根 -> 天望荘 -> 赤岳 -> 又三郎尾根 -> 行者小屋 -> 赤岳鉱泉
です。地蔵尾根の方が急で、又三郎尾根の方はゆるやかになってます。ので登りが気合。
まずは赤岳鉱泉で、重登山靴と10本爪アイゼンに履き替えて、行者小屋へ。2200Mを超えているので雪は結構ありましたが、トレースはしっかりついてるので道を間違う心配は皆無でしたね。例年だともうちょっと雪あるのかも。
いい天気。ってかあそこまで行くのか!? 行者小屋からはストックをピッケルに持ち替えてひたすら登っていきます。
しかしここが無茶苦茶キツかった。そもそも、2500Mを超えるような高所に登り慣れてないのに加えて、足元が急坂のようになってる中をアイゼンワークで登っていくので、息がとにかくよく切れる感じ。同行者の人に待ってもらいつつ必死にゆっくり登っていきましたが、上も下も景色はもう絶景でした。あまりに必死なのでほとんど写真撮れてないですけどね...
稜線までたどり着けばなんとか一安心。ただ正直に言うと、途中心が折れかけました。でも、地蔵尾根、結構急なんでもしここで撤退を選ぶと急坂を降らなければならず更に辛い思いをするハメになるというのがあり、できれば登頂して別ルートである又三郎尾根から帰りたかった。ここは精神力との戦いなので、休んでゆっくりでもいいからとにかく時間いっぱい(タイムリミットまで)は登る、というのを心がけてなんとか登り切る感じ。体力的にはまだ行ける(精神的にはキツいが体力は危険な状態ではない)というのはわかっていたので、休憩しつつスローペースで少しずつ...というわけで、だいたい2時間かけてなんとか天望荘まで到着。
ありがたいことに冬季でも営業しているので休める時に休む、とここでおしるこを補給して、最後の登りへ。
もう周りの景色は常に絶景。風に注意しつつなんとかギリタイムリミットで登頂したのでした。
この日は本当にいい天気で、風もほとんどなく山頂の気温も-9度とかなり穏やかでした。-9度ってもはや普段の家の早朝と同じぐらいですからね...
ひとしきり堪能した後は、又三郎尾根をぐぐっと下って、赤岳鉱泉経由で帰る。という感じでした。登りは本当に辛かったですが、下りは雪のおかげでめちゃくちゃ楽でした。雪があると膝に負担が全然かからないので、ものすごいハイペースで降りていけるんですよね...
赤岳鉱泉までなんと2時間。行きは休憩しつつ4時間半かかったのに半分以下です。
まだ少し時間があったので小屋でレモネードをいただいてからまったり下山。ほんとに赤岳鉱泉は設備が充実しすぎて小屋って感じがしなかったです...
振り返り
反省点とか持ち物とか。
体力
2500M過ぎたあたりからの登りがやはり特に苦手と感じたので要修行。主には酸素が薄いせい。休み休みでペースを大幅に落とせば登れる。冬季だから遅い、とかそういった問題ではなく単純に高所に順応していないというのが大きいのかも。頭痛なんかは大丈夫なんですが、息がものすごい上がりやすい。夏にもうちょっと2500M以上の山に登り慣れておいた方がいいと感じたポイント。
そもそも今までの最高峰が硫黄岳(2760M)なんで、赤岳(2899M)となると更に辛いぞ、という感じではあるんですが。
持ち物
今回結構持ち物を準備したんですが、それらを含めて振り返ってみると。
- トップス
- もともと持ってたハードシェルに加えて、ユニクロのフリースとウルトラライトダウン、メリノウールのインナー(中厚手)
- 予備で防寒具持っていったけど暖かかったのでこれだけで十分だった
- 他にはバラクラバ(目出し帽)とかはスキーで使ってたものを持ってきました。あとサングラスも
- ボトムス
- 普段使いのボトムスとメリノウールタイツ(中厚手)とソックス
- ハードシェルのボトムス(モンベル)を買い足したが、ちょっと嵩張るのでソフトシェルで防水タイプの方が良かったかも
- グローブ
- 防寒テムレスとBlackDiamond ソロイストを買い足した。ソロイスト暖かくて最高だしスキーもこれでいいのでは
- 防寒テムレスのコスパが抜群すぎる
- ピッケル
- BlackDiamondのレイブン(一番安いモデル)を買った
- 性能は全く問題ないし使いやすかったけど、雪に指すとキュッキュッとちょっと煩い
- ある程度の斜度以上はストックではなくピッケルを杖として使う感じ。滑り止めとして雪にぶっ刺します。いざという時は刃側を指して滑り止めにする
- アイゼン
- 赤岳鉱泉まではいつものチェーンアイゼン
- GRIVELの10本爪アイゼンを買った シャフトが柔らかめなので夏の登山靴にも使える (シャフト硬いやつを夏の登山靴で使うと痛むらしい
- チェーンアイゼンに比べると明らかに安定性があってめっちゃグリップが効く
- 登山靴
- 赤岳鉱泉まではいつものミドルカットの軽登山靴
- 鉱泉から上は赤岳鉱泉で重登山靴をレンタル (1日500円)
- 今回借りたのはスポルティバのG5。めちゃくちゃ暖かいしは着心地最高だった...(買うとめっちゃ高い)
- 山専ボトル
- 脅威の保温力を誇る高級魔法瓶。熱湯入れても何時間も持つ。まじですごい!
- 寒いところに行く時はお湯を入れておいて外気で冷ましてから飲む感じ
- いつもの500mlのペットボトル等はお休み 普通のやつだと凍っちゃって話にならない
- 今回はジェットボイルなどもパージしました
- 行動食
- カントリーマアムを中心に、バームクーヘンとかおやつカルパスとかとにかく凍らないやつ
- カントリーマアムは山の行動食として一押しらしいです
- カメラ
- EM-1mk2 + 12-100/4と予備バッテリー1本
- PeakDesignのCaptureでザックに付けっぱ(外気に常に触れてる状態)で行動してたんですが、1度もフリーズしませんでした。さすがオリンパスだぜ!
- でも気温が最低でも-15度ぐらいだったので実はそこまで寒くなかった説
- その他
- 緊急セット、修理キット(タイラップ)など

ショーワグローブ 【防寒手袋】No282防寒テムレス Lサイズ 1双
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ブラックダイヤモンド(Black Diamond) ソロイスト BD73032 ブラック M
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THERMOS 山専用ボトル ステンレスボトル 0.9L ライムグリーン(LMG) FFX-900
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山専ボトルはマジで最高でした。熱湯持っていくだけならもうジェットボイルとかいらないなって思いました。家でも熱燗作る時に使えます(←
というわけで今年1回目の山行はかなりキツめになりましたが、3月あたりにもう一度ライトな雪山に行こうかなと思ってます。感覚を忘れないうちに10本爪アイゼンを試しておきたい。