ちょっと身内でNASの話題になったのでまとめてみます。我が家では大切なデータは基本的にNASに保存するようにしてるんですが、PCの組み方とかデータバランスとかバックアップ体制とか紹介してみます。要はQNAPはいいぞという記事です。
— Lix / すかい (@skyriser) 2017年3月18日
万能NAS QNAP
私がつかってるのはTS-231PというやつでHDDが2本入るやつ。これをRAID1で運用しています。今までNASといえば、黒箱みたいなしょぼいCPUにHDDがつながっててちょっとプログラマブルなサーバー、って感じの運用しかしてこなかったんですが、QNAPはそこそこパワーのあるCPUと、莫大な数のユーティリティが用意されている専用OSを積んでいるNASです。
基本的にはHDDを別途購入して、設置してLANにつなげばNASになる、というのが当たり前の機能なんですが、QNAPはユーティリティが結構面白いやつが揃っていて、例えば
- NASの一部がTimeMachineのディスクになるソフトウェア(Mac用)
- DDNSを自動的に更新してくれるソフトウェア
- VPNサーバーになるソフトウェア (うちはOpenVPN使ってます)
- クラウドストレージに対して定期的にバックアップしてくれるようになるソフトウェア
- メールサーバー、メディアサーバー、Webサーバー
- Docker (Container Station)
などなど...公式のアプリがものすごい数用意されてます。詳しくは以下。
もちろん、Linuxサーバーを自前で立てる黒箱みたいなのだと全部できることなんですが、QNAPのいいところは、これらがすべてGUIでカンタンに操作できるようになっているので、面倒が無いというところ。VPNサーバー1つ立てるにしても鍵の生成だのポート開けるだのいろいろと手順はあるので、それらがすべてオフィシャルでサポートされてるってのが面倒くさがりさんには強いわけです。
NAS本来のディスクの保全、RAIDの再構築なんかもすべてGUIでできるようになっているし、HDDもオンラインで交換できるようになっているので、とても安心なわけです。
おすすめなのが、VPNサーバーを立てておけば出先からもNASに直接アクセスすることができるので、どこでも作業の続きができるという点。地球の裏側にいても回線さえ確保できればいつでもNASにアクセスできるってことです。家ではLAN使って操作するのと全く同じ感覚でね。(もちろんVPN以外にも実現する方法はあります)
書いてて思ったけど黒箱っていう例えがどうなんだ...(古い
ストレージの種類
利用しているストレージは主に3つ。
- PCの内部ストレージ (512GBのNVMe/SSD。現在もうHDDは使われていない)
- NAS
- QNAP TS-231Pを利用。HDDは2台、RAID1で運用
- クラウドストレージ
- Dropbox、Google Drive、Amazon Driveなど。用途で使い分けてます
後述しますが、
というのが基本になってます。
データストレージの考え方
私の場合はデータを主に以下の2種類で分類してます。もちろん例外はありますが...
データの種類 | 重要性 | IOPS性能 | 例 |
---|---|---|---|
速度重視 | X | O | OS、アプリケーション、頻繁に読み書きするデータ(音源など) |
冗長性重視 | O | X | 作品のデータや、ゲームのセーブデータなど |
速度重視のデータは、基本的に外部記憶などによって復元可能なデータです。例えばOSやアプリケーション。インターネット等から再ダウンロードできないインストーラーなどは冗長性重視データに該当します。これらはアプリケーションの実行時に速度を求められるため、PCの内部(SSD)に配置しておきます。
冗長性重視のデータは、作品のデータなど自分で作成したデータがほとんどで、失えば取り返しのつかないデータになります。これらはバックアップの観点からは非常に重要なデータになるため、何重にもバックアップするのが理想。
で、基本的には、前者の速度重視のデータはPCの内部に保存し、最低限をバックアップをNASに。後者の冗長性重視のデータはNASに保存するようにしています。
PC内部に保存するデータのバックアップ
DTMの作品や写真の保存場所は自分で指定できるので、NASに直接保存、読み書きをしますが、アプリケーションの環境設定ファイル等については保存する場所がアプリケーションによって勝手に固定されてしまい、PC内部に保存されてしまうので、これらのデータについては自分でバックアップする必要があります。
Macの場合はTimeMachineが使えるので、NASをTimeMachineに指定して定期的にオートでバックアップさせるようにしています。Windowsについては、今の所内部に保存される重要なデータがないのでOSレベルでのバックアップはしていません。
NASに保存するデータのバックアップ
NASに保存されているデータについては、HDDが2台あるのでRAID 1としてそれぞれのディスクにミラーリングを行っています。QNAPではクラウドバックアップも利用できるんですが、クラウドストレージの契約にそこそこ金がかかってしまうので今の所NASのデータをまるごとバックアップはせず、NASの重要なデータのみをそれぞれのクラウドストレージに少しずつバックアップするようにしています。
ちなみに歴代の重要データ(例えば過去の作品のプロジェクトファイル)などについては別途、HDDなどでも保管されていますので、NASのHDDが2台ともNGになってしまってもまだバックアップがある、という感じ。また、引退したHDDなどにもバックアップがいくつか残されているので家のHDDが全て駄目にならない限りは何重にもバックアップされている、という感じにはなりますね。(あんまりスマートではないけども)
実際の使い勝手は?
今どきのHDDはそこそこR/W速くてシーケンシャルで200MB/sに迫るHDDさえあります。NASに格納するデータはあまり速度を求められないものが大半であるので、動画などの大容量ファイルを扱うケースでなければ、そこまで不満が出ることはない感じ。ネットワークが1000BASE-Tx1になるので、HDDやネットワーク状況にもよりますが、110MB/sぐらいまではちゃんと出ます。
なので、WindowsでもMacでも普通に外部ストレージという形で使えます。ちょっと前のHDDぐらいの速度はちゃんと出るので、容量の大きいファイルを扱わない限りはほとんどネットワーク経由であるというところを意識せずに運用できるかと。
ちなみにQNAPには1000BASE-Tのポートが2つついてて、こいつを束ねて使うことができます。いわゆるリンクアグリゲーション(ポートトランキング)ですが、これを使うにはスイッチ側が対応してないといけないし、第一PC側のイーサネットポートはたいてい1本なので、家庭ではあんまり活用できる感じではないですね...
それから普通にPCでサーバー立てるのに比べれば圧倒的に省エネです。専用の筐体なので稼働状態でも20Wかそのあたり。常時起動しておいても電気代を気にする必要もないですね。
そんなわけでQNAPおすすめしておきますネ。ちなみに使ってないですけど、Synologyもいいらしいですよ(紹介は誰かに丸投げ)
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