Trance Shift 8 - Notes

クルマと温泉とキャンプとゲームと登山、たまにDTM。

Oxygen Not Included: Spaced Out! が面白すぎて時間を溶かした話

再びOxygen Not Included(ONI)にハマった記録です。今年は600時間溶けましたが、まだ伸びてる。恐ろしい。

DLC: Spaced Out! で導入される原発の強烈な放射線!うおおハザードや!

二年前に同じような記事を書いてるので、興味があればそちらも併せてどうぞ。前回のものは主にバニラ環境にフォーカスを当てたものでしたが、今回のものはDLCの1つ、Spaced Out!ありでプレイした記録です。

notes.levolution.info

ちなみにONIのDLCは2024/12現在、3つ発売されていますが、

  • DLC1: Spaced Out!: ゲームの遊び方そのものを大幅に変える超大型拡張DLC
  • DLC2: The Flosty Planet Pack: 寒冷要素を追加する小規模DLC
  • DLC3: The Boinic Booster Pack: サイボーグ要素を追加する小規模DLC

と、Spaced Out!は他と比べても大きくゲームに変化を与えるDLCになってます。今回はDLC1の記事。

どんなゲームなのか

前回の記事にも書いたんですが、改めてどんなゲームなのか簡単におさらいしておきましょう。

ONIはスペースコロニーシミュレーションゲームです。マップは2Dの閉鎖空間で、熱力学が細かくシミュレーションされており、物質の三態(気体、液体、固体)が再現されています。例えば水は0度で固体(氷)に、100度で気体(蒸気)に変わります。物質間で熱交換も行われます。この閉鎖空間の中を登場キャラクター(Duplicant。複製人間)に指示を出してコロニーを築き上げるゲームです。

マグマ(1400度)に落ちた鉛は当然溶ける。ちなみに鉛の融点は現実と同じ327.5度

わかりやすいモンスターみたいな「敵」みたいな概念が無いんですが、このゲームにおいての敵というのは環境です。複製人間は我々人類と同じように息をするので、酸素を消費して、二酸化炭素を吐き出します。(現実には人類は窒素なども吸うし、酸素も吐き出しますが、あくまで簡易シミュレーションと考えて貰えれば)でも、閉鎖環境ですから最初からある酸素を吸い尽くしてしまったら、二酸化炭素だらけになって窒息します。Oxygen NOT Included なわけです。

酸素を作り出す方法は色々あるんですが、これはほとんど現実の化学に基づいています。例えば、水(H2O)を電解装置で分解すれば、酸素(O2)と水素(H2)に分離出来ます。つまり、水が有る限り酸素を生み出し続けることができますが、副産物として水素が出てきます。水素は水素発電機で燃やせば電力になります。水素と酸素は混ざって出てきますので、分離してやる必要がありますが、水素は軽いので自然と上に貯まるんですよ。逆に酸素は重たいので下に貯まっていく。うまいことすれば、上の方に貯まった水素で発電しつつ、電解装置を動かして、酸素をコロニー内に供給できます。

電解装置(赤枠)の上に軽い水素が、下に重い酸素が貯まっていく

で、水素発電機を動かしたら電力になって水素も消費できてハッピー!と思いきや今度は水素発電機自体が熱を発するんですよ。このゲームのほぼ全ての機械は熱を少しずつ発するので周囲の気体や固体が暖まっていく。つまりコロニーのじんわりした温暖化と戦っていくことになります。20度だった寝室がいつのまにか機械のせいで30度になっている...なんてことはよくあるもんで、次は周囲の温度を減らすためにエアコンを作りましょう!みたいになっていくわけです。

このように非常に細かく熱力学がシミュレーションされている世界で、最終的には研究を重ねてロケットを作っていくんですが、はっきりいって難易度が結構高い。マジで何度も失敗する。でも、回を重ねるごとに、プレイヤーに知識が貯まって、それが力になっていく。副産物を視野に入れた設計ができるようになる。無限に楽しさが上がっていく、みたいな感じ。

DLC: Spaced Out! はどういうコンテンツか

オリジナルのONIは1つの大きい惑星にコロニーを建設するゲームですが、Spaced Out!を導入すると、惑星が複数作成され、それぞれをロケットで移動出来る構造に変わります。

DLCで導入される宇宙マップ。ロケットが作れるようになったら、主惑星から他の惑星へと開拓を進めていく

オリジナルではロケットを作ったら、「惑星の外にあるどこか別の惑星に旅して戻ってくる」(ロケットが戻ってきたらリソースが増えてる)という体験になるんですが、Spaced Out!ではロケットの行き先もマップ上にある開拓可能な惑星であるため、リソースを得るには別の惑星へ入植し、開拓し、ロケットにリソースを積み込んで戻っていく...といった工程が必要になります。

手間は増えるものの、惑星間のリソース移動にはロケットに積み込んで運ぶ他、星間ランチャーやテレポーターで運ぶ等の別の手段もあります。惑星は変化に富んでおり、マグマだらけの星や、非常に極寒の星が存在し、開拓の方法も惑星によって色んな工夫が必要になります。惑星によっては酸素も食料もないことがありますからね、どうやって開拓するかというのはしっかり工夫する必要があります。

また、放射線という概念が導入され、素材や植物、動物等も大幅に増えます。中でも面白いのは試験炉ですね。要は原発なんですが、濃縮ウランと水を投入すると膨大な熱を発する機械で、この熱量をうまいこと活用して電力に変換する仕組みを作るのが結構楽しい。現実でも膨大な量の水で冷やしますが、ゲームでも同じ感じで水を沸騰させて発電タービンを回すわけですね。こういった現実で使われてる機構をヒントにしてゲームを攻略するのが非常に楽しい。

原発の稼働例。ここまで安定稼働させるのに苦労しました。

ちなみに、オリジナルのONIをある程度遊んだ人向けのチャレンジコンテンツというわけでもなく、DLCではロケットでの移動を前提としているので、オリジナルと比べて宇宙進出がしやすくなっており、早期に宇宙要素が楽しめます。好きな方で遊ぶのが良いと思います。ただ、ホントに初見の時はオリジナルのONIやった方がいいかも...

DLC最初のロケット、CO2ロケット。なんとペットボトルロケットだ!

トライアンドエラーで設備を作るのが面白い

ゲームが進んでくると、この手のゲームにはお馴染みの自動化要素が出てきます。この手のゲームのよくある自動化って論理回路をちょっと組み合わせて便利に在庫管理などをしてみましょうぐらいなもんなんですが、ONIの場合はこの自動化要素がかなり重要になっており、ほぼ必須と行ってもいいぐらいにフル活用していきます。登場設備のほぼ全てが自動化に対応してる、といえばどのぐらい重要かなんとなく理解できますかね。

例えば簡単な例で言うと、石炭発電機とバッテリーを繋ぐと電力の保存出来る仕組みが作れますが、石炭発電機は石炭を入れると燃料が無くなるまで稼働し続けるのでムダがでます。ですが、バッテリーが満タンなら発電を止める、といった自動化制御を行えば必要な時だけ石炭発電機を動かせる、みたいな仕組みですね。

農場を自動化したり、石油精製を自動化したり、色んな設備を考えるのも楽しい。先ほどの原発なんかも色んな設備と自動化の複雑な組合せで出てきています。時にはセンサーの設定値を間違えて事故になることもありますが、事故ったら事故ったでそれは経験値になるので。ゲームにはサンドボックスモードがあって、ノーコストで設備を作ったり実験することもできるので、本編で大規模な設備を作る前にサンドボックスモードでじっくり実験してから導入するのも良い方法です。

石油ボイラー。本来は人力が必要な石油精製をマグマの熱で自動化する

原油が400度で石油に変化する性質を利用している

例えばこの石油ボイラー(Petroleum Boiler)は、原油を自動で精製して石油に変える施設です。原油を400度まで加熱すると石油に変化します。が、石油を加熱しすぎて538度に達してしまうと今度はガスになっちゃうんですよ。500度超の石油ガスがコロニーに充満!!そしたらもう大変、大事故です。事故を起こさないためにも、どうやって400度近くまで暖める機構を作るか、どうやって工事したら事故らないか、メンテンナンスが必要になったらどうすればいいか、等をサンドボックスで実験するわけですね。文字通りトライアンドエラーです。

割とガチの科学シミュレートゲームではあるんですが、見た目が非常にコミカルで機械やキャラクター達のアニメーションがかわいいので、見てるだけでも楽しい。事故を起こして、慌ててるキャラクター達には申し訳ないけど、アニメーションがカワイイので事故ってもなんか和んでしまう。

知見を纏める

こうしてコロニーを何度も失敗していくと知見がどんどん貯まっていくわけですが、私の場合は、これをNotionにまとめてます。例えば電力網でよく使う整備。

例えば電力網(SCPS)のスイッチトキャパシターの作り方メモ

各種設備はネット上の記事を参考に組むことが多いですが、好みのパラメーターや形に調整することも多々あります。また、繰り返し何度も設置する設備もあるため、チートシートとして個人的にまとめておくとムダがないよね、というわけ。

パラメーターの設定意図もメモしておく。周囲の環境によって変えたりすることもあるので

設定するパラメーターの意味や調整の意図、また失敗した時の知見などもまとめておくと同じ過ちを繰り返さない。気がついたらゲームを起動したまま、記事をガツガツ書いてたりするので、こういうのも時間が溶ける一因にもなってそうですけどね。勿論ゲームを起動して無くても、記事をまとめてることもあります。なんとなく眺めた他の人の動画からヒントを得て、設計だけしておいて後でゲームで実験したりとかも。

はじめてみよう!

ここまで記事を読んでいただいてるということは、興味をお持ちですよね!SteamセールならなんとONI本体は800円ぐらいで買えます。しかもWindows/Mac/Linux対応でクロスセーブもできますからね。どこでも遊び放題です。

そろそろSteamの冬セールが始まるからたぶん安くなるハズなんだけどなー。

ちなみに、ずっと同じマップでプレイしてると、ゲーム後半は割とCPU性能が必要になってくるので、割と強めのスペックPCがあった方がいいかもしれません。GPUは必要ありませんが、CPU性能(特にシングルコアパフォーマンス)は結構必要です。めちゃくちゃ複雑な計算処理が走ってるので... (私はこのゲームのために、Ryzen 7 2700X => Ryzen 5 5600Xにアップグレードしました)

おまけ: Advanced Notes という沼の入り口へのガイド

まずは何も考えずにプレイしてみる、というのが良いと思いますが、ある程度慣れてきたら是非見て欲しいサイトがあります。それがONI Advanced Notes。

scrapbox.io

個人の方が執筆なされていたサイト(現在は更新停止されている)で、要は攻略情報が載ってるんですが、なんとフル日本語です。ONIに関する基本的なゲーム情報から、考え方や、実験的な内容まで...全部読むだけで1日潰せるぐらいの情報量があるんですが、ここの情報が非常に!非ッ常〜〜〜に!!参考になるんですよ。

公式フォーラムや海外のWikiなんかも結構似たような情報がまとまっていたりするんですが、やはり日本語で書いてあるのが非常にありがたい。ここの情報をとっかかりにして、他のサイトの情報を探しに行くなんてこともできるので、ゲームに慣れてきたら読むことをオススメ。勿論自分で研究するぜ!という人はそういう外部情報を読まないのもありですが。

ただ、記事はバニラ版ONI (DLCなし)時代のものなので、若干古い情報もあります。DLCあり(特にSpaced Out!)でプレイする場合は、環境が大きく変わってたりする場合もあるので、そこは留意して読むといいかも。ちなみにDLCあり情報を載せてくれているサイトも数多く存在しますので興味があったら探してみてもいいかも。

しかしホントにすごいね、この記事の量。