Trance Shift 8 - Notes

クルマと温泉とキャンプとゲームと登山、たまにDTM。

90's JRPGへのリスペクトが素晴らしいJRPG Sea of Stars をプレイした

ゴールデンウィークは行ってしまった...アイツは良い奴だったよ。というわけでGWにプレイしたSea of Starsのプレイ記録を残しておきましょう。 発表時から気にはなっていたんですが、今JRPGやるつもりじゃないんだよなあ...と伸ばし伸ばしにしてたのですが、SteamDeckを導入 したのをきっかけにゴロ寝プレイでクリアまで一気にプレイしました。

16bit風のドット絵風だけど、丁寧に作り込まれてる。特に影に注目して欲しい

これは...?という難点はいくつかあるんですが、往年のJRPGへの愛が感じられる、プレイして楽しいRPGでした。

90's JRPGを楽しんできた人のために

公式でもレトロリスペクトと言ってるぐらいなので、90's JRPGを愛して止まない人向けなんでしょうね。あんなRPGやこんなRPGのエッセンスが散りばめられてます。特に参考にしたのかな、というのが...

どこかで見たことあるようなワールドマップ

山はいいよねぇ

と、クロノシリーズ。つまりはそんな見た目のゲームなんで、気になってる人は多いんじゃないですかね。

バトルは出来ることが多いけど...

RPGの核となるバトルは昔ながらのターンベースRPGで、コマンド選んであれこれしていくタイプ。

攻撃、スキル、おやつ(アイテム)と、コンボと呼ばれる連携技もあります。コンボは結構モーション凝ってて見てて楽しく、本家クロノの連携技みたいに色んな組み合わせがあります。おやつは回復アイテムですが、戦闘不能を解除するアイテムがなく、戦闘不能に陥ったら一定時間放置で自動復活するやさしいシステム。

バトルに参加出来る人数は3人ですが、いつでもコストなしで控えからメンバーを交代出来るので、ストレスはない感じ。全員が戦闘不能になったらゲームオーバーですが、私がプレイした感じだと一度もゲームオーバーにならなかったので難易度設定は易しめなんだと思います。

また、敵を通常攻撃すると落ちる「生マナ」を使って味方の行動を3段階まで強化(ブースト)することが出来たり、コンボ技を決めていくと貯まるゲージを使った究極技みたいなのもあるので、行動で取れる選択肢は多いイメージ。

通常攻撃やスキル攻撃、敵の攻撃全てにQTEみたいなのも設定されていて、攻撃あたる瞬間にボタン押せば威力アップする、とマリオRPGなんかで見たことあるようなちょっとしたアクション要素もあります。が、ずっとQTEやらされてる感じになるので、割と好みが分かれそう。一部のスキル攻撃にはQTEを決め続けることで連続攻撃になる奴もあるんで、ずっと画面みてぼーっとしてるわけにはいかないデザイン。

キャラクターの装備は武器、防具、アクセサリx3とよく見るタイプですが、装備以外にキャラビルドに自由がないので、致命的なコマンド選択ミスさえなければバトルには勝てるデザインです。レベリングをする必要さえないので、バトルバランスの調整が上手といえばそうだけど、バトルは結構単調に思えてくるかも。

グラフィックは100点満点!!

グラフィックも90's JRPGっぽさがすごいんですが、単純な往年のドット絵を再現してるわけではなく、ちゃんとHD画質でも綺麗に見えるよう、現代のゲームとして作り込んであるんですよね。

氷の下に宝箱と松明があるんですが、氷の表現とかもマジですごい...

キャラのモーションや川のアニメーション、木が風で揺れる様子などとにかく綺麗に、丁寧に作り込んであるんですが、一番すごいなと思ったのは影の表現。このゲーム、時間の概念があって、朝日 => 昼 => 夕陽 => 夜(月明かり)と影が変化していくんですが、なんと影が動くんですよね。夕陽とかだとめっちゃ伸びる。ライティングも勿論変化するんで、とにかくめっちゃ綺麗。室内の照明の影まで計算されてるのすごくない?是非公式サイトで見てみて欲しい。

seaofstarsgame.co => 「Dynamic Lighting」のところで見れるよ!

フィールドも雪山、砂漠、洞窟、建造物、その他いろいろとバラエティに富んでるんですが、昼と夕方、そして夜で全然影の付き方とか変わるし、いつスクショを取っても絵になる。

アニメーションも結構凝ってる敵とかもいるんで、見てるだけでもだいぶ楽しい。ホント豪華な作りです。

サウンド面も豪華だよ!

サウンド面も結構凝った作りになってて、昼と夜で曲調が変わります。BGMに昼バージョンと夜バージョンがあるわけですね。ゲーム中のとあるギミックでは時間を操作することが出来るんですが、時間を進めるとBGMもクロスフェードしていくんで結構素敵です。更に、一度聞いたことのある曲は町の酒場に行くとそれらの曲がバンド演奏されてるんですよ。つまり酒場バンド演奏バージョンアレンジもある。1曲で3つアレンジされてるのすごくない...?

ただ、楽曲については気になる点も...例えば作曲者で音量がやたら違ったり、一部の曲がMIDIベタ打ちっぽく聞こえたりと、主張が強すぎるのがちょっと気になり...BGMはローファイ16ビット風なんですが...まあこの辺は好みだと思うので、公式サイトで聞いてみて下さい。ボス曲とかはかっこいいよ!

audio.seaofstarsgame.co

ちなみに、一部でやたらクロノっぽいBGM流れてるなあ...と思ってよくよく見てみたら光田さんがゲスト作曲してました。そりゃご本人だよ...

ローカライズが残念で、ストーリーが難解

そう、グラフィックやサウンドは良いんですが、ストーリーがとにかくわかんないんですよね。

一応バックストーリーとかは語られるんですが、ローカライズが甘くて序盤からわかりにくい単語を連発されるので、ついていけないんすよ。パルスのファルシのルシがコクーンでパージ状態。例えば、ゲームの紹介では、

『Sea of Stars』は、太陽と月の力が融合した「蝕の魔法」を操る
「至点の子」と呼ばれる2人の物語を描いていく。

と書いてるんですが...もうちょっとかみ砕くと、

  • 主人公は2人いて、それぞれ太陽と月に関係した力を持ってる
  • 「蝕」つまり、日食、月食に関連した魔法が使える

と、いうことなんですけど...「蝕の魔法」なんて言われてもピンと来ないですよね。他にも「生マナ」「生きガラス」とかえ???ってなる変な単語がいっぱい。(例えば英語だと、蝕の魔法は「Eclipse Magic」って書いてあるから日/月食に関するものだ、ってすぐにわかる。日本語だと蝕っていう漢字に色んな意味があるから混乱するんだ...ちなみに「生きガラス」は「Living Glass」。液体ガラスみたいな素材のことらしい)

キャラクターの台詞の翻訳もそのまま翻訳したねこれ...というのが分かるケースが多くて、「ハハッ!」「アハッ!」とかの感嘆詞がやたら多いとか、「これってすごいや!」「これほど偉大な~は見たことがない」「この世で最も邪悪な~」とかの外国語でよく使われるフレーズの直訳が数多く登場するとかで、違和感を感じることが多いです。日本語だとそんな面倒な言い回ししないよね、という。

また、重要な単語の意味とか背景説明が十分にされないまま、「そうかおれは全部わかったぞ!!」って勝手に仲間が言い始めて、プレイヤー置いてけぼりで展開が強引に進む場面が少なくなく、次にやる行動への動機付けがわからないケースが結構あって、「よくわからないけどダンジョン攻略!」となることも。なんであのボスと戦わないといけないのかわからねえけど、グラフィックすげー!サウンドかっこいいー!とゲームを進めてる時間もありました。実はNPCとの会話で、世界観とか背景説明が補完されてたりするんですが、そんなん気づかないって...

それでもゲームは面白い!

ただ、ローカライズの問題もあり、ストーリー理解が難解ではあるものの、ゲームとしては非常に面白いんですよ。

「次にどこで何をするか」という情報はゲームを進めないとわからないことが多くて、ついゲームを進めたくなる構造なのが本作。よくある残念展開だと、4人の子悪党がいて世界を回ってそいつらを全員倒せ、みたいなのだと、結構先までどこで何するのか見えちゃうのとかあるじゃないですか。本作にはそれが無くて、割と主人公達も悪い奴やっつけるために力を付けなきゃ...と手探りで行動していくんですが、その間にストーリーが二転三転するんですね。予測出来るのもあるし、オヤー!?となるのもあるんで、割とゲームを進めていきたい感じの展開が多い。これぞRPGよ。

なので、最初は単語もわからないし、ストーリーわかんないし、本当にかったるいんですが、4~5時間ぐらいプレイしたらだんだん面白くなってきます。特に中盤~終盤あたりはめっちゃ盛り上がるので、もう寝る時間だけど、もうちょっとストーリー進めたい!いやー楽しいRPGってこんなんだよなあ!嬉しい!!となりました。

そんなわけで、一応クリアまでプレイ。プレイ後もコンプリートすると嬉しい要素もあるっぽいんですが、結構時間がかかりそうなので、今回はここまでで。ちなみにDLCも開発中らしいですよ。