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NEXシリーズでの天体撮影を考える #3/3 (現像編)

ラスト、現像編です。

現像編

正直NEXに関する固有の何かってもはや無いんですが私の今の現像テクメモとして書いておこうと思います。もはやメモ変わりだ。

なお、天体専用ソフトを利用しての高度な合成等は扱いません。あくまで、一般的な現像ソフトにおける簡単な現像に的を絞ってみたいと思います。(私が実際そうなので)

現像に利用するソフト

NEXに付属している現像ソフトはImage Data Converterというソフトなんですが、RAWファイルの現像ソフトとしてはこれで割と十分な機能を備えています。RAWファイルはカメラのセンサーに記録された生の情報なので、RAWファイルがあれば色味を変更することも簡単にある程度は劣化なしで可能です。ソニー純正ソフトということで、RAWファイルの扱いも完全に対応しており、ファイルブラウザなども充実しています。

ちなみに、できるならば専用の現像ソフトを揃えてみることをおすすめ。私はAdobeLightroomを使っていますが、IDCとくらべて現像処理が高速で、ファイルブラウザなども機能が充実してます。更に本格的に進める場合に利用するPhotoshopとの相性も良いんです。特にLightroomのノイズリダクション機能やゴミ消しの機能が結構優秀でさすが市販ソフトなだけあって、持っているとできることが結構違ってきます。更に今ならLightroom + Photoshopが月額980円で使えるサービスもありますしね。(私はこのサービス出る前だったから普通に買ってしまった…)

まずはIDCを試してみて、「うーん」となったら市販の現像ソフトも触ってみることをおすすめします。他にはAppleのApertureとかSilkyPix、DSO等がありますね。これらは天体写真でなくても使えますし持っておいて損はないです。なんか宣伝みたいになってしまった。

現像は思い切って

普通の昼間の写真の現像だとなるべく現実の絵を重視して色味を近づけたり、思い切った絵作りはあんまりしないと思うんですが、こと天体写真(星景/星天)に関してはむしろ現像は逆で思い切った絵作りを積極的に行っていかないと「なんとなくきれい」な写真に落ち着いてしまいます。

例えば素で撮った写真がこんな感じだったものも、

大きくパラメーターを変更することでこんな素敵な写真に

なります。

パラメーター等を一切変えずにストレート現像しても良いのですが、自分が決めたテーマに従って結構大胆にパラメーターを変更して絵作りを狙ったほうが仕上がりが素敵になるケースが多いです。具体的なパラメーター等については次で見ていくことにしますが、割とダイナミックに加工しちゃってもいいです、というところだけお伝えしておこうかなと。昼間の写真だといじりすぎると現実離れしちゃってウーンという場合も多いんですが、天体は結構印象が変わります。

現像のキーは色温度コントラスト

ここから先は好みによって調整すれば良いと思いますが、まず写真が自分の意図通り撮影されているかを細かくみます。結構ぶれてたりすることもありますし、これあかんと思った写真にも意外なものが写っているかもしれません。

まずは色温度(ホワイトバランス)。写真の仕上がりというか狙いを決めてからいじるといいんですが、青っぽくするのか紫っぽくするのか、それとも本物に近い黒背景にするのか。結構色温度だけでも印象が異なったりするのでこの決めは割りと重要です。特に地平線の当たりはロケーションによって光害がかなり強めに発生することもあるので、慎重に。この変更はRAWで撮影しておかないとできないので、JPEGじゃなくてRAW、というのはこの辺りも理由だったりします。現地で液晶モニター見ただけじゃわからないですしね。

そして、露出補正、コントラスト補正、トーンカーブなどをバランス良く調整。コントラストはやや強めにしてやると暗い星も目立つようになるので綺麗な写真に。トーンカーブなどで全体的に持ち上げても面白いです。ただし、やりすぎには注意です。

ノイズリダクションはやりすぎない

全体が整ったら、ノイズリダクションとシャープネスを調整です。撮影時にダークフレーム減算をすでに行っているなら熱などのパターンノイズは軽減されていますがランダムノイズはどうしてもでてきてしまうので現像ソフトのノイズリダクション機能を使って軽く処理すると良いです。やりすぎると絵がのっぺりしてしまうので、あくまで軽くが、ポイント。シャープネスは私はあんまり使わないことが多いですが好みで軽くかけておくと効果的な場合もあります。

最後に写真をじっくり拡大して見回して見てゴミなどがあれば除去しちゃいましょう。ブラシを使ってもいいし、レタッチしても何してもいいです。せっかくのデジタル写真なのですから、思い切り楽しんじゃえばいいと思います。ちなみに私は写真を切り貼りしたり等のハードな合成はあんまりしないようにしていますが、このへんはご自身のポリシーで決めちゃえばいいかなと思います。

結構大胆にレタッチしちゃうとこの記事の頭の写真みたいになります。あの写真の場合は中央にでっかく雲があったので、そこのトーンを下げてるんですが、ハードにレタッチして真っ黒にするとこれはこれでありなんじゃないか?となったのでそのまま掲載してます。暗黒空間に見えるのは実は雲、みたいな。

ちなみに、このあたりのテクをもっとよく知りたいという方はこちらの本がおすすめ。私も持ってますが、Photoshopで本格的にレタッチを始めるときの入門本として結構いいんじゃないかなと思います。

まとめ

こんな感じでやれば素敵かどうかはともかく、私が普段現像しているようなレベルの写真は簡単に作れると思います。現像は家でじっくりできますが、撮影はやはりかなり機会を選んでしまうのが天体撮影のツライところです。特に都会在住の方の場合、しっかり写真を撮ろうと思うと郊外まで夜中に出かけなきゃいけない上、必ず晴れでコンディションが良いとは限りませんからね。

なお、撮影編で触れておくべきでしたが、星天撮影を考える場合は

  • できれば新月を狙う。新月以外の場合は、月が明るい時間帯は避ける
  • 月を狙うなら別ですが月があると結構星がかき消されてしまうので要注意です
  • 気象庁から出ている星空予報や、雲レーダー、天気予報等を参考に行ける時に行く
  • 天気は気まぐれなので計画しても良いコンディションになるとは限らないので、ここぞ!という時に行くべき
  • 雲が出ていても諦めない心
  • 曇りの予報が出ていても諦めずに粘ることが大事。ひょっとすると晴れるかもしれませんよ

あたりに注意しておくとなお良しです。それでは、素敵な天体撮影ライフを。